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〈コンサルスキル論〉「よいコンサルタント」を構成するもの

日本人にとって、「コンサルタント」という職業は、とても魅力的または悪魔的な響きを持っている両義的なイメージを持つ職業の一つのではないでしょうか?コンサルタントは、よい意味でも悪い意味でも、戦後日本人の関心を持っていることを隠しながら、それでも興味がある仕事であるのです。

ここではコンサルタントとはどのような職業人であるのかを考えることを通じて、戦後日本人の職業観を考えていきたいと思います。最初に「よいコンサルタント」を構成する3つのファクターを説明します。

1.論理能力

コンサルティングには、様々なスタイルがあり、その目的も多様です。しかし、最も根源的なコンサルティングのあり方は「問題を解決する」ということです。

複雑で、解決困難な問題を抱えるクライアントがコンサルタントを求め、コンサルタントのコンサルティングを頼るのです。このような背景から、コンサルタントが解くべき問題は、一筋縄でいかない難しいものなのです。

複雑で、解決が難しい問題を解くためには、強靭な論理能力が必要なのです。論理能力はどのように複雑で込み入った問題であっても、合理的に分析・整理して、よりシンプルな構造に落とし込んで解決していくことが可能なのです。

2.共感する力

コンサルタントは論理能力があれば、それをもって「よいコンサルタント」になれるわけではありません。実は、クライアントとの信頼関係をどのように構築できるかも「よいコンサルタント」を構成する大きなファクターなのです。言い換えると、「共感する力」なのです。クライアントの悩みや苦しみを理解し、解くべき問題をどのようなアプローチから解き、最終的にどのような結果を得るべきかを「よいコンサルタント」は「察する」必要があるのです。

よいコンサルタントは、単なる「怜悧な頭脳(論理能力)」ばかりではなく、「熱い心(共感する力)」といった精神性をも備えている必要があります。


3.クリエイティビティ

よいコンサルタントは、論理的で、共感する力があればよいのか?いえ、最も重要なファクターは「クリエイティビティ(創造性)」です。複雑なものだいを分析し、整理していくためには論理能力が必要ですが、その解決を最終的に導き出すためには「創造性」が求められることになります。

コンサルタントが解決するべき問題は数学のように「客観的に答えが一つ」の問題ではありません。唯一の答はありません。

どのような解決策を案出するべきか?その着眼点はクリエイティビティにかかっています。




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