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〈対人関係論〉ドライな職場環境の出現
かつて、日本人は職場の同僚や先輩後輩で飲んだり、食事をしたりして、密な接触を持ち、比較的濃密な人間関係を保つ文化を持つのだという言説が中心でした。このような密な人間関係の中で、いわば疑似家族、疑似(学級)クラスのような環境を作ってきたのです。今では「ブラック」と判定されるような根性文化なども、このような濃密な人間関係を前提に育ったものでした。
しかし、令和の今となっては、このような濃密な人間関係や根性文化といったものが職場環境を気持ち悪いものにしていると考える人も増えて、職場はかつてないほど「ドライな」環境になりました。しかし、濃密な人間関係で構築された会社・職場環境が高度成長期の日本を支えてきたのも事実です。
今日では、このような昔気質の職場環境は見られなくなっています。付き合いは9時から5時まで、話す内容は仕事のことのみ、というような人間関係の職場は普通です。なぜ、このような職場になってしまったのでしょうか?理由はたくさんあるでしょうし、職場や業界によって異なるでしょう。
しかし、大まかにいって、
✅従業員が多国籍化した
✅ITやゲーム世代が主流になった
✅コンプライアンス(法令順守)やリスクマネジメントの徹底
✅派遣社員や請負など労働形態が多様になった
などの変化が背景にあるといえます。
このようなドライな職場環境で、円滑な人間関係を作り上げるのはとても大変です。昔のような「以心伝心」という密な人間関係者ないのですから、1から10まで、ちゃんと言葉にして伝え、理解してもらったかを確認しないと、仕事の打ち合わせさえまともにできません。
このような状況では、昔気質に「以心伝心」に頼っていては「できないやつ」になってします。今日の環境に適応して、しっかりとコミュニケーションを築けるビジネスパーソンにならなければいけません。
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