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〈ビジネスパーソンの身だしなみ〉ビジネスの第一歩「名刺の差し出し方」の極意――名刺交換は、単なる形式ではなく「第一印象を決定づける儀式」
ビジネスの現場で初対面の相手と会う際、まず最初に行うのが名刺交換です。 この一瞬は、単なる自己紹介ではなく、「相手に自分をどう記憶してもらうか」を左右する大切な第一歩です。
そのため、名刺の差し出し方ひとつで、あなたの所作・品格・ビジネスマナーへの理解度が相手に伝わります。ここでは、基本作法に加えて、ビジネスパーソンとしての魅力を高めるための「+α」の知識も交えて解説していきます。
1.【基本編】名刺の正しい差し出し方
① 立ち上がり、相手と正対する名刺交換は座ったまま行わないのが基本。相手が現れたらすぐに立ち、姿勢を正し、目線を合わせて軽く会釈をしましょう。これだけでも、丁寧で誠実な印象が生まれます。
② 自分の名前を名乗る
まずは明るく、はっきりと名乗ります。
🎤「●●株式会社の山田と申します。よろしくお願いいたします。」
声のトーン、表情、姿勢も含めて「感じのよい人だな」と思ってもらえるよう心がけましょう。
③ 名刺は両手で、相手から読める向きで
名刺は両手で、名刺の下端を親指と人差し指で軽く挟むように持ちます。渡すときには、相手が文字を正しく読める向きで差し出しましょう。
相手も同時に名刺を差し出してくる場合は、自分の名刺を下にして、両手で受け取りつつ、同時に自分の名刺を差し出すのがスマートです。
2.【応用編】印象を上げる+αの所作
💡ポケットから出すのはNG名刺は事前に名刺入れから準備しておきましょう。ポケットや財布から出すと、だらしない印象を与えてしまいます。
💡名刺入れの扱い
名刺を渡す際は、名刺入れの上に自分の名刺を乗せると、丁寧な印象になります。また、相手の名刺を受け取る際には、名刺入れの上にそっと載せて一礼するのが礼儀です。
💡名刺は「相手の分身」
受け取った名刺は、粗末に扱ってはいけません。すぐにしまうのではなく、商談中はテーブルの上の名刺入れの上に置くのがマナーです。
その間、名前の読み方や役職をさりげなく確認するなど、会話のきっかけにもなります。
3.【シーン別の注意点】
💡商談が複数人で行われる場合名刺交換は、役職の高い人から順番に行うのが通例です。また、自社の代表が先に名刺を差し出すことが礼儀とされています。
💡名刺を忘れてしまった場合
どうしても名刺を持参できなかった場合は、素直に謝罪し、後日改めて郵送するのが誠意ある対応です。
🎤「本日は名刺を切らしておりまして、誠に申し訳ございません。後日、改めてお送りさせていただきます。」
4.【国際ビジネス編】海外との名刺マナーの違いにも注意
✅欧米圏:名刺交換はそこまで形式張っていません。片手で渡すことも多く、着席のまま行う場合も。
✅アジア圏(中国・韓国など):
日本と同様、形式的な名刺交換が重視される傾向。特に役職や序列に注意。
✅中東・イスラム圏:
左手でのやりとりは避ける(不浄とされる)
つまり、日本式の名刺交換マナーは世界的に見てもトップレベルに丁寧な部類に入ります。海外相手にする際も、「郷に入っては郷に従え」の意識が重要です。
5.名刺交換は「小さな所作」で信頼を得るチャンス
名刺交換は、ビジネスの最初にして最大の「印象勝負の場」です。ほんの数秒の行為にこそ、その人の丁寧さ、配慮、そして相手への敬意が現れます。✅正しい姿勢と声で名乗る
✅両手で丁寧に差し出す
✅相手の名刺を大切に扱う
こうした基本を押さえることで、あなた自身の評価や会社の印象にも良い影響をもたらします。
「礼に始まり、礼に終わる」――そんなビジネスの美学を体現できる所作として、ぜひ日々の仕事に取り入れてみてください。
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