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〈人的資源新秩序〉タイ王国の高齢社会への対応
タイ王国(以下タイと略)の総人口は現在約6,912万人である。このうち65歳以上の高齢者は約614万人(人口の8.9%)である。
東南アジアの開発途上国中では最も高齢化が進んでいる。また、高齢化速度も速い。2001年には高齢者が7%を突破し、「高齢化社会」段階に入った。予測では、その23 年後(2024年)には14%以上になり、「高齢社会」になると推計されている。高齢化速度は日本よりも速いことになる。
社会開発・人間の安全保障省(Ministry of Social Development and Human Security:MSDHS)所管の高齢者入所施設は、自立高齢者を受け入れる施設である。しかし、実際は入所者のうち、半数以上が要介護高齢者となっている。入所者全体の2 割程度が寝たきりや認知症であり、全国的にもかなりの要介護高齢者がいるものと想定される。
高齢者の世帯状況も変化している。子と同居している高齢者の割合は減少し続け、6割を切る状態である。高齢者単身世帯は約7%、高齢者夫婦のみ世帯は約17%で、脆弱な高齢者世帯が増加している。
タイにおいて介護は基本的に家族によって行われているが、所帯状況の変化に伴う家族介護力の低下や今後の要介護高齢者の増加により、日本のように家族の介護疲れが社会問題化することも懸念される。
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