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〈ビジネスパーソンの身だしなみ〉汗でヨレヨレになったスーツを美しく保つためのメンテナンス術――プロフェッショナルな印象は、日々の手入れから生まれる

夏の通勤や外回り、あるいは満員電車での移動――ビジネスパーソンにとって、汗は避けられない敵です。特に真夏の炎天下では、スーツはすぐに汗を吸い込み、型くずれやにおいの原因になります。「暑いのは仕方ないから」とケアを怠れば、せっかくのスーツがヨレヨレ・クタクタ・シワシワになり、清潔感や信頼感に大きく影響します。

ここでは、スーツを美しく、長持ちさせるための汗対策メンテナンス術を、基本から応用までご紹介します。スーツ素材やアイテム別の注意点も網羅しています。


なぜ汗や水分はスーツに悪いのか?

スーツは本来、形を保つために「芯地」や「仕立て技法」によって立体的に作られています。しかしこの構造は、水分や熱にとても弱いという一面を持っています。
 ✅汗や雨水が芯地に染み込む → 型くずれ・波打ち
 ✅繊維が湿ることで → シワが残りやすくなる
 ✅汗成分の塩分・皮脂 → 黄ばみ・臭い・虫食いの原因

特に高温多湿の日本の夏では、何も対処しなければ1シーズンでスーツが台無しになることも珍しくありません。


【基本のメンテナンス】汗をかいたあとのお手入れ手順

① 汗を吸った部分を「たたいて吸い取る」
スーツに汗が染み込んだ状態で放置するのが一番危険。まずは固く絞った濡れタオルで、襟元、脇、背中、膝裏など汗をかきやすい部分を優しく叩き、汗と汚れを抜きます。

ポイント:
 ✅こすらず、トントンと優しく叩く(繊維を傷めない)
 ✅水分を抜く感覚で行う(汗成分を残さない)

② ハンガーにかけ、風通しのよい場所で陰干し
ジャケットとパンツは必ず別々のハンガーにかけ、室内の陰・風通しの良い場所で自然乾燥させます。
 ✅太めのスーツ用ハンガー(型くずれ防止)を使う
 ✅直射日光は避ける(退色・劣化の原因)
 ✅扇風機を回すとより効果的


【素材別】メンテナンスポイント

ウール(ウール混含む)
 ✅湿気には特に弱いため、必ず乾燥を優先
 ✅自然なシワはハンガー干しで回復することが多い
 ✅頻繁なクリーニングはNG(油分が抜けてパサパサになる)

ポリエステル系・混紡素材
 ✅速乾性があるため、比較的扱いやすい
 ✅シワになりにくいが、熱や摩擦には注意

リネン(麻)
 ✅シワになりやすいため、干す際にしっかり形を整える
 ✅湿気対策がカギ、風通しを最大限に確保


【+α】ネクタイ・シャツ・インナーのメンテナンスも忘れずに

ネクタイ
 ✅汗がつきやすい首元は重点的にたたきケア
 ✅絹素材が多いため、シワ伸ばしはスチームで浮かせるように
 ✅ハンガーにかける or ネクタイ専用フックで保管

ワイシャツ・インナー
 ✅脇汗パッド、汗吸収インナーを併用するとスーツへの被害を減らせる
 ✅ワイシャツは形状記憶やドライ系素材を選ぶと快適さが大幅に向上


【におい対策】防臭・抗菌アイテムの活用

夏は「見た目の清潔感」に加えて、「におい対策」も重要です。以下のアイテムを併用すると、においの発生を抑えられます。
 ✅スーツ用消臭スプレー(アルコール+消臭成分入り)
 ✅活性炭入りのスーツカバー(クローゼット内で効果)
 ✅衣類用除湿剤・防虫剤(保管時に必須)


【頻度と回数】クリーニングに頼りすぎない

 ✅スーツのクリーニングは「月1回程度」が目安
 ✅汗をかくたびに出すのではなく、自宅でのケアが基本
 ✅ドライクリーニングは生地に負担がかかるため、必要最小限にとどめる


最後に:スーツの状態は、あなたの印象を作る「無言のメッセージ」

スーツのシワやにおい、型くずれは、何気ない場面で相手に「だらしなさ」「疲れた印象」を与えてしまいます。逆に、手入れの行き届いたスーツは「丁寧な人柄」「信頼できる印象」を自然に演出してくれます。

ビジネスパーソンの身だしなみは、第一印象の武器です。暑い夏でも、清潔で爽やかな印象を保つために、日々のメンテナンスを習慣化しましょう。






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